キュレイターズ・ノート その1
2008年7 月 9日 (水)
「ミッシング・ピース 東京展」は、The Missing Peace というアート展の日本版です。
The Missing Peace がどのように生まれたのか、キュレーターのランディーさん(Ms.Randy Jane Rosenberg )が書いたCurator's Note の中からご紹介します。
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アーティスト達はダライ・ラマを、どう捉えているのだろうか?
穏やかでありながらパワフルな容貌で皆に知られているその人自身ではなく、
世界への彼の足跡と影響をどう捉えているのだろう。
彼のヴィジョン、理想、価値、教え。
あなたはこれを、どう描きますか?
この質問がこの展覧会を生むきっかけとなり、25ケ国82人のアーティストとグループが、各々の答えを出しました。
彼らは、それぞれが独自に考える信仰と全体像を手がかりとして、各自が本質的に捉えたダライ・ラマの肖像を創造しました。
それは様々なイメージ、テーマそして技法を織りなしたタペストリーとなり、そこには法王自身の世界で、そして私たちの世界での、法王の様々な役割が映し出されています。
指導者、哲学者、政治家、聖人、予言者、調停者、アイコン等々。
私は2004年初めに、この展覧会のスポンサー団体であるダライ・ラマ財団と、チベット100人委員会からこの展覧会のキュレーションを依頼されましたが、私の仏教とチベットの窮状に関する知識は多くはありませんでした。
しかし、全てを包括するヴィションは良く理解できました。
より広義で普遍的な基盤の上に、法王の肖像を描く。
このようにして、探求が始まりました。
ダライ・ラマとはどの様な人で、彼の人生と行いはどの様な絶対的テーマを体現しているのか?
答えはたくさんあります。
彼は人々から愛されている世界的な精神的指導者であり、政治指導者であり、そして仏教徒です。
彼は亡命政府のトップであり、思いやりや共感と、責任ある生き方を基本とした平和への道を立証した政治難民です。
全ての命を同等に尊重する人です。
また、人々の笑いを誘うユーモアに溢れ、人生の厳しい局面に出会った時にも、幸せを喚起させてくれる人です。
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このキュレイターズ・ノートは続きます。
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