学習会「チベットの民族と文化を訪ねて」
2008年10 月 5日 (日)
きのう、
「チベットの民族と文化を訪ねて」という学習会に行ってきました。
プログラムは4つありました。
まず、「チベット=ヒマラヤの自然と氷河」
話してくださったのは、
東京工業大学の幸島司郎先生。
氷河で一生を暮らす昆虫を発見されました。
その名前、「氷河ユスリカ」
英語では、「Diamesa Kohshima 」
そう、発見者の名前 Kohshima が入っています。
このDiamesa Kohshima 、
体長 3 mm。
3 ミリ
氷河で生まれ、生きて、死んでいくのですが、
羽が退化して飛べないそうです。
- 15 度でも平気だけど、
手のひらに乗せたりするとその温かさに身もだえし、痙攣するのだそうで、
あわてて氷の上に戻すとほっとしたようになるそうです。
(見てみたい)
先生は観察しているうちにこの3 mmのメスが産卵期になると氷上を上流へ上流へと移動することに気づきます。
で、なにを頼りに、
どこを目指しているのかを調べていきます。
3 mm のあとをつけていきます。
以下、先生のHPから。
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ヒマラヤでは、「ヒョウガユスリカ」という氷河の上で一生を送る昆虫を発見しました。
羽が退化し、飛ぶことができません。
-15℃くらいでも活動しますが、手のひらで温めると暑くて動かなくなってしまいます。
ヒョウガユスリカのメスは、産卵期になると氷河の表面に出て、ある方向を目指して歩いて行きます。
観察を続けると、氷河の上流を目指していることがわかりました。
氷河は、固体である氷が圧力を受けることで、液体のように常に上流から下流へ動いています。
一生のほとんどを氷のすき間で過ごすヒョウガユスリカにとっては、ベルトコンベヤーに乗っているようなもの。
産卵期に上流に移動しないと、いつか氷河から出てしまいます。
ではヒョウガユスリカは、いったい何を食べているのでしょう。
ヒョウガユスリカの幼虫は、氷河の積雪の下にある泥の中に生息しています。
この泥を顕微鏡で観察すると、藍藻(らんそう)の一種でした。
ヒョウガユスリカはこれを食べていたのです。
ヒマラヤの氷河で一生を送る昆虫。
たった3 mm のいのち。
その3 mm が上へ上へと歩いていく姿にはすがすがしい感動がありました。
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「2008 オリンピック直後のラサ」
この夏、オリンピック直後のチベット・ラサに行ってらした方のお話し。
・迷彩色の制服・制帽、銃をもった軍人がいたるところにいる。
・タクシー、マイクロバスなど外国人・観光客が乗る自動車にはすべて
盗聴器と監視カメラが付けられている。
・運動場とか広場とかには軍のテントがびっしり並んでいる。
・どこにでも中国国旗が。
ラサの街全体が、「鉄格子のない監獄」のようだったと。
ラサに住んでいる友人たちに「なんとしてでも生き延びてほしい....」との言葉に
胸がいっぱいになりました。
号泣すんぜんの嗚咽の声が、あちこちでしていました。
新聞でもテレビでも、
オリンピック後の状況を報道してほしい。
あの聖火リレーから開会式、会期中、閉会式、その後。
いろんな角度から見つめ直す特集をしてほしい。
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プログラムの3つめ。
1989 年放送、TBS報道特集
「ダライ・ラマ 亡命チベットの30年」20 分くらいの映像。
レポートするのは小川邦夫氏。
番組のメイン・キャスターは料治直矢氏。
見終わって、ふうぅと溜め息して、
おどろいた。
どこも古くない。
というか、
何も変わっていない。
状況も話されている内容も、なにもかも。
ということは19年経過しているのに、
なんの進歩も変革も成長もないのか...。
そして、もうひとつの驚き。
19 年前はここまで報道できた、放送できていたという事実。
19 年後の今、ここまでの放送はできないのでは?
この映像、たくさんの方々にみてほしい....と思った。
調べてみました。
小川邦夫氏、料治直矢氏共に TBS の看板キャスターだった。
料治直矢氏はJNN 報道特集で活躍、1997 年に亡くなっている。
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そして、プログラム最後のお話。
会場内の質問をもとに、「Q & A 」
先月ネパールに行ってらした方の「ネパールの現状」
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「ミッシング・ピース 東京展」のMissing Peaceというタイトルについて、
石濱裕美子先生はこう書いてくださっている。
ミッシングピースとは、
「失われた平和(Peace)」と
「見つからないパズルの一片(Piece)」といった意味がかけられており、
「平和とチベット文化がないと世界が完成しない」的な意味をこめていると思われます。
http://shirayuki.blog51.fc2.com/
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平和とチベット文化がなくならないように、
見続けること、関心をもち続けること、できることを続けること。
企画・準備してくださったみなさま、おつかれさま~~でした。
この学習会、続けてほしいと思いました。
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