「ミッシング・ピース 東京展」参加日本人アーチストの池田 一さんから
メールが届きました。
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インド、デリーでかなり大きなアート展に参加、すばらしいご活躍です。
以下に池田さんからのメールを転載いたします。
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明けまして おめでとう ございます。
The Missing Peaceに参加要請を受けたのが、2004年。
その時以来、Missingを行方不明ととらえ、
「行方不明の平和」を探し当てるのがいま課せられたアーティストの役割と自分流に解釈し、
毎日をその探索の旅としたい。
不穏な、きな臭い世界の情勢が押し寄せてくるにつれ、その想いは一段と強くなります。
そして、迎えた昨年2008年12月6日。
ムンバイでの同時多発テロが勃発してまもなく、次は12月6日前後にデリーの3つの空港を爆破するとの予告が----。
インド政府は、もしハイジャックが勃発した場合には、乗っ取られた飛行機を撃墜すると発表しました。
まさに、その12月6日深夜午前2時に、デリーの国際空港に到着する飛行機に搭乗。
何事もなく無事に着陸した瞬間、乗客からは大きな安堵の拍手が----。
何が起こるかわからない不穏な状況の中で、デリーでの初めての大規模なパブリック・アート・フェスティバル<48*C Public. Art. Ecology>が開催されたのです。
世界からの9人の招待アーティストを含む25のアートプロジェクトを、地下鉄8駅を乗り継いで見て回るという、画期的なスケールでの屋外プロジェクト展です。
私は、「いまや、デリーを流れるヤムナ川は、トイレットそのものだ」と嘆く人たちの声に耳を傾け、余りにも深刻なデリーの水事情を調査することから作業をスタートしました。
Missing探しの旅は、ここデリーでは、行方不明の水探し。
キャッチ・フレーズとして、語呂合わせ的ですが、
missing or promising ?
行方不明となるのか、将来有望なのか、
足元の水の流れを見きわめようという提案です。
オールドデリーの真只中、バス、車、リキシャ、オートリキシャに混じって、
牛、馬、山羊、犬、それに象までがのし歩く道路脇の、路上生活者の姿が、強烈に迫ってきます。
Metropolis Mega Dream と Community Aspirationが対決するデリーの最前線での、水を通じて都市を再構築するアートプロジェクト「WATERPOLIS」の展開です。
「WATERPOLIS: missing or promising ?」と題する野外インスタレーションは、
Chandni Chawkの駅から歩いて10分程の、市役所前にあるムガル王朝の噴水/水路跡に設置しました。
マスト5本をもつ全長約80メートルの「未来の水舟」といった形の野外インスタレーションは、巨大な作品が多い中でも最大級で、
ディレクターからは「見た全ての人が好きだ、と言ってる」との評価を受けました。
オールド・デリーの中でも、貧困層が多いと言われるサイトに、アンカーを下ろした
「未来の水舟 WATERPOLIS」は、多くの反響を載せて、次はどこへと航海するか----。
多層な階層の人でごった返すデリーから、貧困、不平等、不穏な世界の大海にどのように漕ぎ出すか----、2009年の、決意新たな船出です。
ボランティアの女子学生が、ヒンズーの言葉を教えてくれました。
“If there is water, there is life.”
そう、水は、国家、宗教、文化の差異を超えた、世界共通の言語であると、ますます確信しています。
水の重要性は誰しもが理解し、誰もが他人を思いやることの出来る、
だからこの混沌さを生き抜くのに不可欠な、いわば平和に向かうための共有言語のようなものです。
2009年の初めに、
「A More Peaceful New Year !」の言葉を送ります。
今年が、平和に向けた、より創造的な一年でありますように。
公式HP: http://www.48c.org/
ecoart spaceのブログのレポート: http://ecoartspace.blogspot.com/
You Tube:
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すばらしい池田 一さんのご活躍!
池田さんのおかげでデリーでのすばらしいアート展を、
この試みを知ることができました。
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もうすぐ、The Missing Peace Madrid からも連絡が入ります。